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倫理委員会ニュース(3)

研究者のミスコンダクト

古谷 圭一(倫理委員会委員長) 第42巻、第1号、N2 2007.

 去る7月21日の日本学術会議、学術と社会常置委員会報告が出されましたが、その中にわが国の学会倫理綱領に関する調査報告がありました。2004年5月の調査の結果で、倫理綱領の作成状況は有効回答数838件のうち倫理綱領について制定も検討もしていない学会が617であったとあります。過去5年間のミスコンダクトの発生状況は、役員会、編集委員会で話題となった学会数は113学会で、その内容は、データの捏造、データの改ざん、論文の盗用、論文の剽窃、プライバシーの侵害、研究資金の流用、論文の二重投稿、刑事事件、研究グループの合意なしの投稿、データの商業利用、教育研修上の問題、医師法違反容疑、学会名の無断使用、学会発表の無断欠席、医療審議会答申にもとづく行政処分対象者の会員の除名処分、研究方法の疑問、認定資格試験の不正、会員のマスコミ発言、法人会員の不祥事、専門医試験資格虚偽申請、書評の二重投稿、会員に対するブラックメール、ガイドライン違反容疑、会則違反による除名、名義貸し問題、不適切な利用、誹謗中傷行為、他学会との重複発表、特定宗教勧誘活動、引用の不正、質問紙の無断利用、違反広告宣伝などがあったと報告されています。ミスコンダクト疑義の場合の対処組織または手続きの有無については決めている学会数は148でした。

 ミスコンダクトの内容の種類は、知っておくことが会員にとって必要なことと思います。国内学会では少なくとも研究者として恥ずかしい行為として認められていると御承知ください。研究論文の二重投稿については、学会として態度を決めて、会員に周知化が必要と思います。先日、本誌と同じ要旨の別の雑誌に論文を見つけた話を聞きました。所内報への発表の義務がある場合の学会誌論文投稿について、1. 二重投稿とする 2. 内容の何分の一以下ならば、オリジナルとするなどの緩和措置をとるなどの対策が必要と思います。

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