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緊急声明

中国におけるPM2.5大気汚染問題への
大気環境学会の取り組み

公益社団法人大気環境学会会長 若松伸司

 大気環境学会では1990年代後半から、いわゆる「PM2.5問題」に取り組んで来たが(1999年にはPM2.5国際シンポジウムを開催)、2013年1月に顕在化した中国におけるPM2.5大気汚染と日本への越境大気汚染は極めて憂慮すべき環境問題である。

 今回の大気汚染の特徴は過去の多くの冬季大気汚染のエピソードのような局地的な現象ではなく同時多発的に中国広域で発生しており東アジア全体に影響を及ぼすとも考えられる。 更にその濃度は、いわゆる冬型のエピソードとしては1952年の「ロンドンスモッグ」に匹敵するレベルである。元凶とされるPM2.5は、さまざまな発生源から排出されるガス状物質 や粒子状物質が大気中で変質し生成する極めて複合的な大気汚染現象であると考えられ数百種以上の化学成分が関与している可能性がある。また大気中の滞留時間も大気境界層内 では数日間程度、自由対流圏では数日程度から数週間と長い。それゆえ低濃度でも蓄積的な環境影響をもたらすことも十分に考えられるが、東アジアにおける発生源・生成機構・輸送拡散 機構・除去機構・健康影響・生態系への影響などについての科学的知見はきわめて不十分である。

 東アジアではオゾン、硫黄酸化物、窒素化合物、揮発性有機化合物などのガス状汚染物質の長距離輸送も知られており、その輸送過程で最終生成物とも言えるPM2.5 が生成する。合わせて黄砂や海塩粒子などのPM10-2.5と称される自然発生源の粒子状物質と上記の汚染物質との相互作用も東アジア特有の問題として上げられる。 また日本国内においては越境汚染だけではなく国内での汚染源もPM2.5の生成要因として相当程度寄与していると考えられる。

 このような状況を踏まえ、さまざまな所属・専門分野からなる学際的な会員の集まりである大気環境学会としては、東アジアにおけるNGOとして、国際的な連携のもとに、今まで我々が経験し 得なかったこの新しく深刻な大気汚染問題に対する研究を加速し、その科学的知見をもとに問題解決に多面的に取り組んでいきたい。

2013年2月12日

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「日本と中国の大気環境の現状と今後の研究に関するパネルディスカッション」

主催:
 (公財)笹川平和財団・笹川日中友好基金、(公社)大気環境学会
日時:
 平成28年8月1日10:00~12:30
 (9:30受付開始)
場所:
 笹川財団ビル11階 国際会議場
 港区虎ノ門1-15-16
 銀座線虎ノ門駅徒歩1分
申し込み:7/27までに、下記URLへ直接お申し込みください。
 https://www.spf.org/event/article_17490.html


理事・監事選挙告示 平成28年6月20日

定款第21条及び平成28年(公社)大気環境学会役員等の選任に関する実施細則により、理事・監事の選挙を行ないます。
正会員の皆様は、本日発送した投票用紙により、必ず投票をお願いいたします。
1) 平成28年理事選挙告示
2) 平成28年監事選挙告示
3) 平成28年役員選挙実施細則


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